2014年2月3日月曜日

食事の姿勢

食事の姿勢

 本日は月2回訪れている高齢者施設での口腔ケアの日

施設の看護士さん・栄養士さん・ケアスタッフの方々と当院の歯科衛生士と歯科医師 総勢10名前後で食事の食べさせ方が難しいお二人の利用者さんを囲んで、安全に食事の支援ができないか検討しました。

 お一人は背中が丸まってきているために食事姿勢が難しく、食べている間にもだんだんと姿勢が変わってきます。食事の際の姿勢の大切さは今まで学んできていることですから、車いすの角度やクッションなど、その方の飲み込みを観察しながら様々な工夫をしていきます。
 施設職員の方のアイデアで車いすではなく、いすに座ってもらうことにしました。不思議なことに今まで思うように動いていなかったお口の動き方がずっと良くなりました。さらにクッションを工夫したところ、食事介助もずっと楽になりました。傍から見ても利用者さんの顔も和んで自然になり、ずっと食べやすくなったようです。
 もうお一人はお口周りが動かず 食べるのが難しい状況の方です。今までも様々な工夫をされていましたが、車いすのセッティングを大幅に変えて、さらに無理な力がかからないように入れたクッションのおかげでしょうか。飲み込みができるようになりました。不思議なことにがちがちに固くなっていた首回りがだんだんと柔らかくなってきました。
 健康な時には、姿勢の保持をすること、呼吸をすること、呼吸しながらタイミングをみて食べ物の形を口の中で整えて安全に飲み込むという動作が自然にできています。
 年齢とともに、またその方の抱えてきている疾患や背中が丸まるなどの状況で、できることが限られてきます。姿勢だけでなく食事の形態やその方の体調、嗜好など 様々な職種の方の今までの日々の関わりが大切です。
 その答えは利用者さんと日々介護に関わっている職員の方々の中から出てきました。


歯科医師と歯科衛生士が学んできた摂食・嚥下・口腔ケアの知識だけでは解決できません。日々関わっている職員の方との話し合いの中でたくさんの気づきがあります。